いやし（ん坊）系ワンコ

夏休みの公園は危険だ。ガキンチョ達が買い食いしたお菓子類が散らかっているからだ。
ワンコのお散歩中、厳禁なのは拾い喰い。万が一、悪意の毒入りエサを食べてしまったらアウト！事実、近所で2〜3日の間に同じルートを通ったワンコが散歩後に相次いで亡くなったという事件があった。悪意でなくても、腐ったパンなどを食べたりしたらたいへんなので、ペットシッターの研修では拾い喰い阻止は最重要項目なのだ。
さて、お花は食べ物じゃないよ、Nadiaちゃん。花に熱い視線を注ぐ写真の子、Nadiaちゃんは気立てのよい優しい子なのだが、それはそれは食いしん坊を通り越したいやしん坊さん。お散歩中、オヤツをくれないかとずっと私を注視しながら歩く。前にまわってくるので蹴ってしまいそうになり止まると、すかさずお座りしておねだり、あげるまでどかない。お散歩に集中してくれ、と悲鳴をあげる頃にいつもの公園に到着。今度は何か落ちていないかとクンクンに集中する。トイレの場所を物色していることもあるので、むやみにやめろと言えずにNadiaちゃんの鼻先とその先の地面を見ながら注意深く歩くので、Nadiaちゃんとのお散歩はたいへんなのだ。
ある日、パンが落ちているのをふたりほぼ同時に発見！飛びつくNadiaちゃんのリードを上に引っぱりあげつつ、大股開いて左足でパンを踏んずけた。
ガーン…という顔で私を見上げるNadiaちゃん。
「ナイナイ、なんにもナイ」
と言う私の左足のまわりを「ここに、この下に、パンがあるっ」と掘り出した。私は足をねじねじして掘った穴にパンを移動、右足で土を寄せて埋める作戦だ。
Nadiaちゃん、私を見上げて悲しげなお顔で「パン〜」と訴える。ごめんね、パンはNadiaちゃんの大好物（ホントはあげちゃいけないですよ）。代わりにいつもより大きめのジャーキーをあげてその場をそそくさと立ち去った。Nadiaちゃんは次の日も、その次の日もその場所で狂ったようにクンクンした。あの後、密かに戻ってパンを掘り出し捨てちゃったもんね！しかし、食べ物の事となるとよく憶えてるなー、ワンコ。